合唱曲に限らず、歌には必ず休符が出てきますよね。
フレーズの終わりには必ずありますし、合唱で言えば他パートが歌う箇所も自分のパートは歌わない場合があります。
さらには、伴奏の流れているときも休符があります。
この休符の時間、みなさん何をしてますか?
キョロキョロしたり、髪いじったりと気持ちも身体も本当に休んでませんか?
でも、合唱が上手になるコツは、休符を演奏することなのです。
「何言うとんじゃ!休符は休むから休符だろーが!!」と怒る人もいるかもしれませんが、そういう人は間違いなく歌が下手な人です。
休符とは、こういうものですね。
英語でもrestですので、そのまま訳せば確かに休符なんですけど、歌や合唱において、文字通り休んでしまうと感動する演奏はできません。
なぜなら、この休符のときに緊張が途切れ、直前の音符や次の音符の処理がうまくいかなかったり、弛緩した空気が観客にも伝わるからです。
一流の合唱団の演奏を聴くと、指揮者が手(タクト)を上げてから演奏後それを下すまで、緩むことなくピーンと緊張が持続しています。
その途中には、何度も休符が出現しますが、その時もまるで歌っているかのように意識が集中しています。
このような合唱団の演奏では、観客も前のめりで緊張して聞いています。まさに息の飲むという感じです。
一方、休符を”休む”としか捉えていない合唱団は、休符を見た途端集中が途切れ、直前の音符を切るタイミングが揃いません。また、緩んだ身体が戻らず、次に歌うべき音符を飛び出したり、逆に遅れたりする人が出ます。
また、休符中にゴゾゴゾ動いたり、緊張感がなくなるため、観客も無駄話をし始めたり、居眠りをしたりします。
ちなみに歌う軍隊と言われた某大学グリークラブでは、頭髪のみならず、メガネがずれても動かないというルールがあります(^-^;
では、休符を演奏するとは、具体的にどのようなことなのでしょうか?
まず、音符のあとに休符が来る小節では、音を切るタイミングを細かく団内で決めなければなりません。伸ばした音を切る際に音符拍内で切る場合もあれば、英語などの子音は休符の頭で発音するなどの約束ごとを徹底しておくことです。
休符のタイミングで、音をダラダラ伸ばしているというのは論外ですが、約束したタイミングより短く切るというのもパートボリュームが下がりますので、良くありません。
休符の後に音符が来るパターンでは、歌い出しを揃えるために休符の間に息を吸い、身体を整え直し、声を出す準備をしなくてはいけません。他の人が歌い出して、そのあとから声を出す人がいますが、そのタイムラグがハーモニーを濁らすことになります。
☞ハーモニーを構成する4つの要素とは 参照
では、全休符の小節はどのようにすればよいかというと、まず大きく動かないことです。そして、次の歌い出しに備えます。観客からすれば、ゴゾゴゾ動いてると気になって音楽に集中できないのです。
特に曲の終わりなどは、余韻を味わってもらうために指揮者が礼をするまで絶対に動かないことです。
衛兵の交代式のように微動だにするな、とは言いませんが、せっかくの演奏をそんなことで台無しにしたくないですね。
でも、休符も演奏のうち、ということを理解できない人や小さい子供には、「とにかく動くな」と命じたほうがいいかもしれません。
我がグリークラブ香川も、このような指示を何度も繰り返し出し続けています。皆さんの団も意識するだけで格段に変わると思いますので、ぜひ実践してみてください。