合唱のベテランには耳にタコな話なのですが、まだ初心者の方でご存じない方に、美しいハーモニーをするための4つの要素をお話したいと思います。
【ハーモニーを構成する4つの要素】
・音程
・音色
・ボリュームバランス
・同時性
音程は、言わずもがなです。技術力の低い合唱団では、同じパート内でもいろんな音が存在しますから、ドミソなどの基本和音でも濁ったりしますね。まずは、各自がピアノなどで正確に同じ周波数の音が出せるように訓練することが肝要です。
和音には純正調というのがあって、和音を組み立てた際に、さらに良くハーモニーするための微妙な周波数値があります。
第5音はやや高めに、とかdurの第3音はやや低めに、とかいうものですが、アカペラの時は意識すればよい程度で、ピアノ伴奏時などは普通にピアノと同じ平均律の音程で十分です。
合唱初心者の方は、とにかくピアノと同じ音程を発声できるとどうかを練習しましょう。
音色は、人間の声で言うと発声方法によるところが大きいですね。ソプラノであってもバスであっても、同じ手法で出された声は、パートが違っても良く溶け合います。
しかし、違う発声法、例えば西洋式のオペラ歌手とロック歌手では同じ音程だったとしても別物に聞こえてしまいますね。
合唱においては、パート内で音色を統一させることが音程と同じくらい重要です。高校生や大学生などは、同じ先生から学ぶので発声が統一されやすいのですが、大人の一般合唱団になると、様々な経歴の方が集まるので、各々好き勝手な発声をして、結局ハーモニーが濁ることになります。
プロのオペラ歌手が合唱をするよりも、コンクール上位入賞のアマチュアのほうが上手いこともよくあることです。
ボリュームバランスも当然のことで、我が団のようにトップテナーのみが大声選手権のように張り上げているようでは、せっかくのハーモニーも台無しになってしまいます。
私の経験上で言えば、男声合唱ではベース・バリトンがしっかりボリュームを保持して、セカンドがやや控えめに乗っかり、トップは金属的ではなくバイオリンのような響きで、下3パートに柔らかく共鳴するイメージの団体が、最も美しいハーモニーを醸し出している気がします。
最後の同時性ですが、これも我がグリー香川メンバーには、かなり困難な事項です。つまりうまくハモるには、同時にその音が鳴らなければいけないわけですが、裏拍が苦手で飛び出すとか、人の声を聴いてから発声するので遅れるとか、うちのメンバーでは日常茶飯事に発症しております。
これを克服するには、リズム感を養う訓練をするのはもちろんですが、その多くは指揮者を見ていないことが原因です。楽譜に噛り付いているので、指揮者が見えてなく、自分のリズムで勝手に歌っているのです。こういう方にはやや強制的に先に暗譜をさせ、楽譜を見ないでアンサンブルさせることが重要です。
美しいハーモニーを感じるためには、これら4つの項目を常に意識して歌ってみてください。一人一人が少しづつ努力するだけでも劇的に音楽が変わるはずですよ!