音楽で、だんだん音量が大きくなることをクレッシェンド(crescendo イタリア語)といいます。逆にだんだん小さくなることをデクレッシェンド(decrescendo)またはディミヌエンド(diminuendo)といいます。
cresc.みたいな略語で書かれることもあるし、次のような分かりやすい記号のときもあります。
当然、左がクレッシェンドで右がデクレッシェンドなのですが、均等に大きくなったり小さくなったりしてますよね。
でも、この通りに演奏するより、もっと上手に聞こえる方法があります。
それは、クレッシェンドの場合は、以下のように最後になるほどボリュームの増加量を増やすのです。
これもコツがあって、喉でガーッと前に押していくと固い声になって、ハーモニーしずらい音色になるうえ、聞いている人にとってもウルサいだけの耳障りな声になるんですよ(本人だけ気持ちよさそうですが・・)。
グリー香川では自分の背中に羽が生えていて、それを拡げるようにイメージさせてます。
まあ、自分がこんな人らになったと想像するわけです。
ほかにパラシュートを拡げる感じとか、背後霊が大きくなる感じとか何でもよいのですが、ところてんのように、前方に力まかせに押し出すのはダメですよ、ということです。
*うちのトップテナーには永遠の課題です(´;ω;`)ウッ…
さて、ではデクレッシェンドの場合はどうなのでしょうか?
これも図で説明しますね。
今度は逆になるべく最後まで音量を維持して、最後にふわっと消えていく感じです。もしかすると弦や管楽器には当てはまらないかもしれませんが、人間の声の場合はブレス(息)を長く保ちつつ響きも高い位置を保たねばならず、均等イメージだと早くから音量や響きがカクンと落ちて、弱々しい声になってしまうのです。
また、この場合もコツがあります。クレッシェンドの場合とは別で、前に向かって、まるで去り行く恋人を追うように未練タラタラと、気持ちや響きを遥か遠くに届かすのです。
音を小さくする際に、まるで声を飲み込むようにブレスの流れを止めてしまう人がいますが、逆にほそ~くブレスを流し続けてくださいね。
さて、このクレッシェンドとデクレッシェンド(ディミヌエンド)ですが、文献によっては「徐々に強く、弱く」と表現されています。
でもこの表現を真に受けると、まさしくガーッとウルサい声を押し付けたり、Mr.オクレのような力の抜けた声になってしまうのです。
原語では増加や減少という意味ですので、やはり音量の増減ということでご理解いただきたいです。
このちょっとしたコツで、実力以上に上手く歌って下さいね。